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tzib
thoughts on simplicity
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篠原一男経由 東京発東京論
篠原一男経由 東京発東京論_c0028405_1355377.jpg
篠原一男経由 東京発東京論』を読了。「建築家の数だけ都市がある間は都市は虚像に過ぎない」と言い切る篠原一男はとてもクールだ。東京という客観的な事実を検証していくためには、常に現実にのみ即していくしかないのだろうか?

「現代の多様で電子的な人間活動と、区画整理された地区や美観統制された都市は補完関係ではない。とすれば、グリッドや美観は誰の欲望なのだろうか?アンリアルな単純系都市とリアルな複雑系都市の二項対立は、高度情報化社会の枠組みで、もはや建築家の欲望の大小でしかないかもしれない。」

「多くの西洋建築家が東京には秩序があるという。私は、秩序というよりもむしろ自由市場経済の原則に近いものではないかと思う。(中略)『むしろ、等質性と異質性とが交錯する在り方こそが、今日の空間を現にあるようなものにしている』。」

電子的な物流が、国の概念にとって変わったとき、都市は、人々が集まる場所として役割を専念できるのです。これからの都市はまるで中世の都市のように、まさに人々が集まって生活をする場所になっていくでしょう。」

それ(無秩序)は、部分的な『秩序』において相互間の調和が失われた状態を指す。『無秩序』な状態における関係性は、たまたまある関係性を持っているに過ぎず、全く別であっても不自然ではない。秩序ある関係性は統合的な原理に基づいており、『無秩序』にはそういった要素が欠けている。しかしながら、無秩序な関係を作り上げている各々の要素は、相互間では何らかの秩序のある関係を確立する。なぜなら、それがなければ『無秩序』によって乱される対象すら存在しなくなってしまうからである。」

現代社会というもの、現代技術というものをむこうにまわして格闘する気がなければ、今日の装飾空間(オーナメント・スペース)の創造はむずかしい。東照宮は、好き嫌いは別にして、その時代の精神と技術とが動員された装飾空間であることをあらためて認める必要があろう。」

「私の見るところ、都心も郊外も、自己と他の間にある関係のもち方として根底に流れているのは同質である。つまり、自己の原理のみに従ってつくられているという点であり、郊外に発生するこの『ギャップ』にも、都心に発生する『異化』にも、共通した異種のエネルギーの衝突を私は感じる。」
by tzib | 2005-08-25 23:21 | resource
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