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生まれてはじめて上野動物園に行く。動物園に行くこと自体がひさしぶりなので、かなりどきどき。動物園の隅から隅まで半日かけて、パンダ、ライオン、おさる、ゾウなど、たくさんの動物たちを見て回る。動物の動きは見ているだけで楽しい。彼らの動作には決して入り込むことができないのだけど、その予測不能さがとにかく楽しいのだ。とくに毛がもこもこしてちょこちょこ動く小動物や赤ちゃん動物たちには、何度も魂を抜かれそうなほどに心を奪われてしまった。きゅーとか鳴き声を出されると、足腰なんてもうがたがたになってしまう。そのまま家に持って帰りたくなる衝動を何回押さえ込んだのかわからない。うん、変態だな。
園内に入って驚いたのは、動物たちが鉄の檻の中にではなく、FRPの擬岩が駆使されたジオラマというか、擬似的な自然環境の中に閉じ込められていたことだった。彼らが住んでいた場所を模倣して、できるだけ本物に近づけようとしているのだけど、そこにはどうしても違和感が生じてしまっている。早い話が、すごく安っぽいのだ。この展示方法は観客のためなのか、それとも動物たちのために考えだされたものなのか、詳しい事情はよく知らないけど、もう少し違った方法があってもいいのでは、と思った。中途半端にまねるくらいならば、まったく違う場所を考えてみた方が、どちらにとっても喜ばしいことではないだろうか。 本江さんの文章にも、「考えるほどに動物園ってのは生命と環境と文化に関わるデザインの諸問題が集約された空間である。都市における教育文化施設の立地論から、ランドスケープデザインみたいな大きなスケールの話もあれば、ゾウ舎、サル山、ペンギン池など建築スケールもあり、サインやチケットのグラフィックデザインもできる。マイクロチップの識別票あたりからデジタルなシステムを構想するなんてのもありだろう。」とあったけど、もしかしたら本気で動物園について取り組んでいったなら、次々におもしろいことが起きるのかもしれない。 とかいいつつも、動物園にはすっかりはまってしまった。年間入場券を握りしめるリピーターになってしまいそうです。心身ともに充実した、すごく楽しい一日でした。
by tzib
| 2005-08-31 23:31
| architecture
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